お宮参りの産着（祝い着）とは？事前準備や注意点、着せ方のポイント

●産着（うぶぎ）とは？

産着は、お宮参りに、赤ちゃんを抱っこした人が上から羽織る晴れ着のことです。産着には、「祝い着（いわいぎ）」や「熨斗目（のしめ）」、「初着（はつぎ）」や「掛け着（かけぎ）」など、地域によって違う名前で呼ばれることがあります。
なお、近頃はベビードレスを着せてお宮参りをする人も多くなっています。また産着の下にベビードレスを着て参拝する家庭も多いです。

●お宮参りの産着の主なセット

お宮参り用の産着には、購入またはレンタルどちらの場合でも、いくつかの小物がセットになっているのが一般的です。小物には長襦袢（肌着）とよだれかけ、帽子とお守り袋などが含まれます。

●産着

産着の柄や色合いには、赤ちゃんの性別に合わせた伝統的なものが多く見られます。
男の子の赤ちゃんの産着は、兜や鷹、龍などの凛々しく風格のあるものが人気を集めています。女の子の赤ちゃんの産着は、御所車や手毬、蝶などの華やかで気品のあるものが人気です。

・長襦袢（肌着）

長襦袢は、産着の内側に入れ込み、一緒に羽織るものです。産着の下に長襦袢を着せることで、産着に直接汗が付きにくくなります。

・帽子

産着のセットには、帽子が含まれることがあります。多くの場合、白や淡い色で統一され、レースや刺繍が施された可愛らしいデザインです。帽子をかぶせることで防寒や日除けになるだけでなく、写真撮影の際にも良いアクセントになります。
ただし、赤ちゃんが帽子をかぶるのを嫌がるのであれば無理をしないようにしましょう。

・よだれかけ

産着が汚れるのを防ぐよだれかけも、伝統的なお宮参りの正装に含まれるアイテムです。産着の華やかさを損なわずに使える白や淡い色のものが多く、縁起の良い絵柄が施されていたり、フリルやレースがあしらわれていたりするデザインもあります。

・お守り袋

お守り袋は、赤ちゃんを災いから守ってくれるお守りを入れておくための小物です。お宮参りの際に、お祓いと健やかな成長を願って、参拝した神社からもらうお守りを入れて持ち帰るために使います。

●用意するもの

お宮参りの当日までに、赤ちゃんのお世話グッズを揃えておきます。赤ちゃんがぐずったときのために、おもちゃも準備しておきましょう。また、段差が多い境内ではベビーカーが向かないことがあるので、抱っこ紐やスリングもがあると便利です。

・授乳グッズ

お宮参り当日は長時間の外出になることが多いため、授乳ケープや哺乳瓶などの授乳グッズが必要です。
粉ミルクを利用する場合は、あらかじめ小分けにしておき、必要な数の哺乳瓶と、魔法瓶に熱湯と白湯をそれぞれ用意しておきましょう。もし神社に授乳する場所がなかったときに備えて、車内や近くのカフェなどで対処できるようにしておくとスムーズです。

・おむつ換えやお昼寝・着替え

使い捨ておむつやおしりふきは余分に用意しておくと安心です。また、慣れない場所や人前で赤ちゃんが疲れて眠ってしまうことも考えられます。ゆったり寝かせられるように、ブランケットやおくるみもあると便利です。
さらに、赤ちゃんが汗をかいたり、ミルクを吐いたりしてしまったときのために、着替えを1〜2セット用意しておくことをおすすめします。

●暑さ・寒さ対策

赤ちゃんの体温調節は未熟です。夏場なら汗ばむことが多いため、通気性の良い肌着、うちわやハンディ扇風機、保冷ジェルなどを活用して赤ちゃんの熱中症を予防しましょう。日差しが強い日には、日傘も役立ちます。
一方、寒い時期は赤ちゃんの体を冷やさないよう、毛布や防寒ケープ、防寒カバーなどを用意しておくと安心です。

●ママやパパの服装

お宮参りで赤ちゃんが着物を着用する場合、ママやパパもフォーマルな装いを選びましょう。ママは着物やワンピース、スーツ、パパは紋付袴やスーツ、または落ち着いたジャケットスタイルなどがおすすめです。派手な色や柄は避け、ネイビー、グレー、ベージュなどの落ち着いた色合いの装いを意識すると良いです。
お宮参りは赤ちゃんが主役となる行事なので、「赤ちゃんの衣装を引き立てる服装」を心がけましょう。

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●産着について

産着を着せる際は、事前に家で一度広げて紐や裏地の状態をチェックし、不備がないか確認しましょう。

・しつけ糸は切っておく

新品の産着の多くは、運搬時や保管時に着崩れを防ぐためにしつけ糸が施されています。着用の際には、このしつけ糸をきちんと取り除いておかないと、動きにくかったり見た目が不格好になったりします。
しつけ糸は、切りやすいように大小交互に縫われています。特に袂（たもと）や袖口、襟元などに施されていることが多いので、見落とさないようにチェックしましょう。しつけ糸を切る際は、取ってはいけない糸を切ってしまわないように十分注意してください。

・袖に紐を通しておく

お宮参り当日に、簡単に産着を着られるように、袖に紐を通しておきましょう。
産着と長襦袢を重ねて、2本の紐を合わせます。合わせた紐を左右それぞれ、袖の内側から外側へと通します。長襦袢の紐が緩んでいると、産着からはみ出しやすいので、少し強めに引いておきましょう。

●産着の着付けのタイミングについて

車や電車で移動が必要な場合は、神社に到着してから着付けを行いましょう。
移動前から着付けてしまうと、チャイルドシートが使えなくなるため危険です。　
ほかにも、産着が汚れてしまったり、赤ちゃんが暑くなってしまったりする心配があります。

●産着の着せ方

まずは赤ちゃんに肌着やベビードレスを着せます。産着は一人で着せるのが難しいため、家族に手伝ってもらうとスムーズです。
次に赤ちゃんを抱き、その上から、袖に紐を通しておいた産着を羽織ります。その後左右の紐を、赤ちゃんを抱っこした人の背中側に回し、肩甲骨のあたりで蝶々結びをします。よだれかけや帽子を赤ちゃんに付け、最後に全体の形を整えて完了です。
左右の紐は背後から見たとき、水平に一直線ではなく斜め掛けのような状態になっていると、産着が安定して着崩れしにくくなります。

●産着の着せ方のチェックポイント

お宮参りを迎えるにあたり、産着の着せ方で押さえておきたいポイントをまとめました。当日の朝に慌てないよう、事前に確認しておきましょう。

・紐が袖に通っているか？

産着と長襦袢の紐が袖に通っていないと、赤ちゃんを抱っこしたときに袖がずり落ちる可能性があります。産着の背面に描かれている柄が隠れてしまい、見た目にもだらしなく映りやすいので、袖に紐を通すようにしましょう。

・紐を首の後ろで結んでいないか？

産着の結び目が首の後ろにあると、紐を結んでいる人の首が苦しそうに見えてしまいます。さらに、産着にシワが寄ってしまったり、背面に描かれた柄が見えづらくなってしまったりします。

・抱っこ紐をして産着を着てもいい？

首のすわっていない赤ちゃんを抱っこしてお宮参りを行う負担を軽減するためにも、抱っこ紐の使用がおすすめです。
抱っこ紐をする場合も、通常と同じ手順で産着を着せます。まず抱っこ紐をして、その上から産着を掛けましょう。

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