七五三のお祝いはどうする?神社・お寺に参拝する時期やマナー
七五三とは、3歳・5歳・7歳の節目に子どもの成長を祝う伝統的な行事です。一般的には、神社やお寺への参拝、お祝いの食事会、着物やドレスでの記念撮影などを行います。小さな子どもがいる家庭の一大イベントともいえる記念行事ですが、タイミングやマナーなどで悩まれるお父様、お母様も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、年齢やタイミングなど七五三に関する基礎知識から、参拝の準備と当日の流れ、家族全員の服装、マナーに至るまで徹底解説します。我が子の七五三について、どうするかお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてくださいね!
七五三のお祝いで参拝をする年齢・時期・場所
七五三は、子どもが3歳・5歳・7歳になる節目の年に、成長を祝って神社やお寺を参拝する伝統行事です。まずは、年齢や時期、参拝する場所など、基礎知識からご紹介します。
●七五三を行う年齢
七五三を行う年齢は、地域によって大きく異なる場合がありますが、伝統的には3歳と7歳の女の子、5歳の男の子とされています。しかし最近では年齢や性別にこだわらず、男女ともに3歳・5歳・7歳にお祝いする家庭も増えているといいます。さまざまな考え方があるため、ご家庭の方針に合わせて七五三のお祝いをしましょう。
3歳は「髪置(かみおき)の儀」という、男の子は髪を結うための、女の子は髪をきれいに伸ばし始めるための儀式が由来です。5歳は、男の子が大人と同じような袴の着用を始めるための儀式「袴着(はかまぎ)の儀」が由来のため、男の子のみでのお祝いとなっています。7歳は「帯解(おびとき)の儀」が由来となっているため、女の子のみでお祝いします。帯解の儀とは、大人の女性として歩み始めるために、これまで紐で留めていた着物を帯で着用し始めるという節目の儀式です。
年齢の数え方は、数え年でも満年齢でもどちらで祝っても問題ありません。「数え年」とは、生まれた時点で1歳と数え、誕生日ではなくお正月がくると歳をとるという数え方です。たとえば2022年12月1日に生まれた赤ちゃんの場合、翌月の2023年1月1日には数え年では2歳になります。「満年齢」とは、生まれたときを0歳とし、誕生日を迎えるたびに1歳ずつ歳を重ねていくという一般的な数え方です。
●七五三を行う時期
七五三は、伝統的には子どもが3歳・5歳・7歳になる年の11月15日に行うものとされています。しかしこの日に必ず行わなくてはならないという決まりはないため、混雑を避けて別の日に行うご家庭も多くあります。
決まりはないとはいえ、七五三のご祈祷を10月~11月に受け付けている神社が多いのも事実です。11月15日前後の週末や祝日、大安と重なる日は特に混雑することが予想されます。日付にこだわらない場合は、11月15日前後を避けた、9月~12月を目安に予定を組んでみてください。家族だけでなく、親戚を呼んで一緒にお祝いする場合は、全員の都合に合わせてスケジュールを調整しましょう。
近年は、晴れ姿をしっかり写真に残すために、参拝と記念撮影の日程を分けることもあります。写真館やフォトスタジオで前撮りを済ませておけば、参拝当日神社が混み合って希望する写真が撮れなくても安心です。子どもの誕生日などに、まとめてお祝いする方や、兄弟姉妹の年齢に合わせてお祝いする方も珍しくありません。
●七五三のお祝いで参拝する場所
七五三は、健やかな子どもの成長に感謝し、祈願することを目的としています。そのため参拝するのは、神社でもお寺でも問題ありません。七五三の参拝で有名な寺社仏閣を選んだり、お宮参りで参拝した場所を選んだり、家庭の事情や当日のスケジュールに合わせて選びましょう。
七五三の参拝日までに行う準備
七五三の参拝場所が決まったら、当日参拝をスムーズに進められるように準備を済ませておきましょう。参拝日当日までに済ませておきたい準備をご紹介します。
●初穂料やご祈祷料を用意する
「初穂料」や「ご祈祷料」とは、神社やお寺に祈祷をお願いする際に納めるお金のことです。神社の場合は「玉串料」、お寺の場合は「お布施」と呼ばれることもあります。
初穂料・ご祈祷料は、のし袋に入れて納めるのが一般的です。紅白、または金銀の蝶結びの水引を用意し、大切な儀式なので記入はできるだけ筆や筆ペンを使いましょう。書き方は、神社の場合は水引の上に「初穂料」や「玉串料」、お寺の場合は「御祈祷料」または「御布施」と記入します。水引の下には、ご祈祷を受けるお子様のフルネームを書きましょう。中袋には現金を入れ、表面に金額、裏面に住所と氏名を書き入れます。金額は漢数字でも問題ありませんが、5,000円なら「金 伍仟円」、10,000円なら「金 壱萬円」のように大字で記入しましょう。
兄弟姉妹でまとめて行う場合は、表書きの名前を連名にして、お金は人数分用意するのが一般的です。ただし、金額は神社やお寺によって異なるため、あらかじめ確認しておくことをおすすめします。金額が設定されていない場合は、5,000円~10,000円が相場とされています。一人ずつのし袋の用意が必要だったり、2人目以降は金額が安くなったりするケースもあるようです。
●神社やお寺を予約する
神社やお寺で祈祷を受ける場合は、予約が必要な場合があるため注意しましょう。特に11月15日前後に行いたい場合は、混雑するため予約が取りづらいことが予想されます。どうしてもご祈祷をお願いしたい日にちが決まっている場合は、早めに予約をしておくことをおすすめします。
●衣装を用意する
当日着る衣装も、前もって準備しておきましょう。和装にするか洋装にするかはもちろん、自前で用意するか、レンタルするかも決めておく必要があります。和装の場合は着付けが必要になりますが、衣装のレンタルを取り扱っているお店によっては着付けも行っている場合があるため、まとめて予約しておくとスムーズです。髪飾りや小物、タオル、草履など、着付けに必要なアイテムは事前に用意が必要な場合もあります。
本番当日に初めてみる衣装を着せようとすると、子どもが嫌がってしまうことも。可能であれば、事前に着付けをして慣らしておくことをおすすめします。
●写真スタジオの予約をする
家族で七五三の記念写真を撮る場合は、写真スタジオでの撮影がおすすめです。写真撮影は必ずしも参拝と同じ日でなくても問題ありません。スタジオによっては、前撮りや後撮りに対応しているため確認してみましょう。前撮りの時期は4~10月が目安となります。衣装をレンタルできる写真スタジオもあるため、利用するとあちこちで予約をする必要がなくなり便利です。
らかんスタジオは、七五三の撮影からお参り衣装レンタルまで、まとめてご利用いただけます。
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七五三をお祝いする参拝日の主な流れ
子どもが主役の行事であるため、思い通りのタイムスケジュールで進められるか不安なお父様・お母様も多いのではないでしょうか。七五三の参拝日当日はどんな順番で進行していくのか、一般的な流れをご紹介します。
- 1.着付けやヘアメイクを行う
- まずは、お子様とお父様・お母様の着付けやヘアアレンジ、メイクなどをします。自宅にて自分で着付ける場合は、当日スムーズに着付けられるように練習しておきましょう。美容室やスタジオ、レンタル着物店によっては、着付けのサービスも行っている場合があるため、まとめてお願いするのも一つの方法です。
- 2.写真スタジオで記念撮影する
- ご祈祷のあとは子どもが疲れていたり、着崩れていたりする可能性が高いため、当日撮影するなら祈祷前に記念撮影すると良いでしょう。また、ご祈祷当日は慌ただしくなることが予想されるため、前撮りや後撮りもおすすめです。写真スタジオの予約はできるだけ早めに行うことが大切です。撮影日から1カ月前の連絡では予約を取れない可能性があるため、2、3カ月前に写真スタジオに連絡することが目安になります。
- 3.神社やお寺に参拝する
- 予約していた神社やお寺を参拝し、祈祷を受けます。社務所や受付で手続きを済ませてから、本殿や祈祷殿へ移動し、ご祈祷を受けましょう。祈祷中は、飽きたり泣いたりしてしまう子どもも少なくありません。子どもが気分転換できるように、お菓子や飲み物を用意しておくと良いでしょう。
- 4.レンタルしている場合は衣装を返却する
- 参拝が終わったら、衣装を借りているお店やスタジオに戻って着替えて、衣装を返却します。繁忙期は返却する時間が決まっている場合があるため、遅れないようにすることが大切です。
- 5.お祝いの食事会を開く
- 親戚などを招き、七五三を祝う会食を開催します。食事会は、外食のケースが一般的です。参加する方のスケジュールの都合がつかないなど、開催できない事情がある場合は、参拝日とは別日に開くと良いでしょう。
七五三の参拝時に着る服装
七五三の参拝時の服装に関しては、実は特に厳密な決まり事などはありません。ただし子どもの成長を祈る大切な儀式のため、フォーマルな服装をするのがマナーといえます。ここでは、七五三の参拝時に着る服装についてご紹介します。
●子どもの服装
日本の伝統行事である七五三では、着物を着せてあげたいと願うご両親は多いでしょう。なかには、自分が七五三のときに着ていた着物を大切に保管し、我が子に着せるという方もいらっしゃいます。
男の子の場合は、5歳の七五三では羽織袴を着せるのが正式なスタイルです。羽織は、背中に家紋が入っている紋付き袴が伝統的ですが、家紋入りでなくても問題はありません。3歳で行う場合は、着物に被布を合わせるケースも多くみられます。
女の子は、3歳では男の子と同じく着物に被布を合わせるのが一般的です。「三つ身」と呼ばれる着物に、「兵児帯(へこおび)」と呼ばれる柔らかい帯を結びます。7歳の七五三では大人と同じような着付けとなり、「四つ身」と呼ばれる着物に格式高い「袋帯」を使用します。
子どもの性格やスケジュールによっては、動きやすさを重視した洋装を選んでも問題ありません。男の子はスーツスタイルや、シャツにジャケットなどを合わせたフォーマルな装いを選びましょう。女の子は、ワンピースやドレス、スーツなどを選ぶのが一般的です。
●親の服装
ご両親も、当日の衣装は和装でも洋装でも構いません。子どもの成長を祝う大切な儀式のため、フォーマルな衣装を用意してください。
また、主役である子どもよりも目立たない服装を選ぶことがマナーです。和服は存在感があるため、子どもが洋装の場合は和装を避けるのが無難です。子どもが和装の場合は、和装でも洋装でも問題ありません。
七五三の参拝・お祝いのマナー
七五三の参拝は子どもの成長と幸せを願い、祈りを捧げる大切な儀式であるため、マナーはしっかり守りましょう。ここでは、七五三の参拝やお祝いに関するマナーをご紹介します。
●神社参拝時のマナー
- 1.身なりを整え、一礼してから鳥居をくぐる
- まずはしっかり身なりを整えて、一礼してから鳥居をくぐって境内に入りましょう。参道の真ん中は神様の通る場所とされているため、左右どちらかに寄って歩くのがマナーです。
- 2.手水をとり、心身を清める
- 手水舎で手と口を洗い、心身を清めましょう。普段の生活でついた汚れを洗い清めることで、禊(みそぎ)をするという意味があります。
- 3.賽銭箱の前に立ち、お賽銭を入れる
- 鈴がついている場合は、軽く一礼してから強めに鳴らします。鈴を鳴らすのは、神様に自分が来たことを知らせるためとされていますが、鳴らさなくても構いません。お賽銭は乱暴に投げ入れず、そっと丁寧に入れましょう。
- 4.二拝・二拍手・一拝で拝礼し、退く
- 2回深いお辞儀をしてから、胸の前に手をあげて2回拍手します。手を元に戻し、1回深いお辞儀をして退きます。
- お寺に参拝する際も、神社の場合と流れはほとんど一緒です。本堂までの道に常香炉があれば、煙を体にかけて身を清めます。また、お賽銭を入れたあとは、拍手はせずに静かに合掌しましょう。子どもの健やかな成長に感謝し、これからの成長を祈ったら一礼して終了です。
●祈祷中に撮影をしない
ほとんどの寺社仏閣では、ご祈祷中の撮影を禁止しています。祈祷は、親子でお祈りを捧げる大切な儀式です。すべての瞬間を写真に収めたいという気持ちは抑え、しっかりお祈りしましょう。ただし、稀に撮影を許可している寺社もあります。どうしても撮影したい場合は、祈祷をお願いする神社やお寺に事前に許可を取るようにしましょう。
●喪中に神社に参拝をしない
神社によっては、喪中に参拝すること(鳥居をくぐること)をタブーとしている場合があります。喪中とは、2親等までの近しい人が亡くなったときに、故人を偲び、哀悼の意を示す期間を指します。喪に服す期間は、1年程度とすることが一般的です。
そして、喪中のなかでも特に外部との接触を避け、故人への弔いに専念する期間を忌中といいます。忌中はお祝い事や神社への参拝を避けるなど、慶事や祭典を慎むというしきたりがあります。忌明けを過ぎていれば、喪中でも七五三のお祝いは問題ありません。神道では50日後、仏式では49日後が忌明けとなります。心配な場合は、神社に参拝可能か確認すると良いでしょう。
●お祝いの品物をいただいた場合
七五三のお祝いとして、親戚や友人からおもちゃなどのプレゼントをいただく場合があります。基本的に七五三のお祝いは身内だけでするお祝いのため、お祝い返しは不要です。しかし、高額な品物をもらったり、たくさんいただいてしまったりした場合は、お返ししてもマナー違反にはなりません。お返しの贈り物の選び方は、千歳飴や和菓子、タオルなど、気軽に受け取りやすいものを選ぶのがおすすめです。手渡しでも郵送で届けても構いませんが、郵送の場合はお礼の言葉を綴ったメッセージカードを添えましょう。
お返しするタイミングは、参拝後一週間以内が望ましいとされています。用意が難しい場合は、2週間程度を目安に贈るようにしましょう。結婚祝いや出産祝いなどの内祝いでは、受け取った商品の1/3ほどの金額を目安に品物を選ぶことが多いですが、七五三の場合は特に決まりはありません。
七五三の準備をしっかり行い、笑顔で思い出に残る1日にしよう!
七五三を行う年齢や時期、場所などの基礎知識や、準備すべきこと、マナーなどを紹介しました。七五三は子どもの成長を祝い、これからも元気で幸せな毎日を過ごしていけるようお祈りする大切な伝統行事です。お子様の華やかな晴れ着姿をみられるのは、一生に一度、七五三ならではのこと。家族みんなが1日を笑顔で過ごし、大切な思い出になるように、しっかり準備を整えておきましょう。
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