玉串料(たまぐしりょう)とは?相場や包み方、渡し方のマナー
お子様のお宮参りや七五三、神前結婚式などを行う際、神社に「玉串料(たまぐしりょう)」を納めることがあります。いざ準備することになっても、金額やマナーなどがよくわからず、困ってしまう方も多いのではないでしょうか。今回は、玉串料の基礎知識や相場、包み方、渡すときのマナーなどをご紹介します。神社へのお参りで玉串料が必要になったときは、ぜひこちらの情報をご参考ください。
玉串料の基礎知識
玉串料にはどのような意味があり、どういった場面で使用するものなのでしょうか。まずは、玉串料の基礎知識や、よく似た「初穂料」との違いについて解説します。
●玉串料とは
玉串料とは、神社で行われる儀式において、参拝者が神様に捧げる金銭のことです。神様へのお供え物として納めるものですが、祈祷を行ってくれる神主さんなど、神職の方への謝礼の意味も含まれています。
玉串料は、お宮参りや七五三、神前式や地鎮祭、葬儀など、さまざまな行事で渡すことがあります。ほかにも、安産祈願や合格祈願、お祓いなどの際も玉串料としてお金を納めることがあります。
ちなみに、玉串とは本来、榊の木の枝に紙垂(しで)を付けたものを指します。神事のときは、玉串を神前に捧げることになります。玉串は参拝者が用意するものとされていましたが、時代の変化によって、代わりにお金を納めるようになっていったそうです。
●玉串料と初穂料(はつほりょう)の違い
元々、初穂とはその年の最初にとれた収穫物のことを意味する言葉です。農作物や魚、果物などの初物を神様にお供えしていましたが、それがお金に変化したものが初穂料とされています。
玉串料と初穂料は、どちらも神社での儀式や祈祷において渡すことになるお金です。ただ、それぞれ異なる意味合いを持ち、使われる場面にも違いがあります。
ご紹介したように、玉串料は神様に奉納するためのものです。神様への願いを込めて、お供え物として納めることになります。一方、初穂料は神社でご祈祷してもらうときに、感謝の気持ちを込めて渡すお金となります。
また、初穂料は、主に結婚式や地鎮祭などの慶事の際に納めます。お守りやお札をいただく際も初穂料を渡します。ただ、神葬祭(神道のお葬式)のような弔事で金銭を納める場合は、初穂料ではなく玉串料としてお金を渡すことが基本です。
さらに、玉串料や初穂料は「お布施」と混同されることもあります。お布施は仏教の用語で、お寺に渡す謝礼を指すことが基本です。お寺へお参りして祈祷をお願いする場合は、お布施としてお金を包みましょう。ただし、お寺によっては「初穂料」としてお金を渡すケースもあるため、事前に確認しておくことがおすすめです。
玉串料の相場や包み方
神社に玉串料を渡す前に、相場や包み方などについて調べておくことがおすすめです。こちらでは、玉串料の一般的な金額や、のし袋に包むときの方法などをご紹介します。
●玉串料の相場
玉串料の相場は、お宮参りや七五三などの場合には一般的に5,000円から1万円程度が目安とされています。結婚式の場合は1万円から3万円程度が一般的な相場とされています。ただし、神社によって玉串料の目安が異なることもあるので、事前に確認することが重要です。
●玉串料の包み方
玉串料は、のし袋に入れて納めるのが一般的です。ただし、葬儀の場合は祝い事ではないため、不祝儀袋を使用します。のし袋にはいくつかの種類があり、書き方にもマナーがあります。行事によってふさわしい水引の結び方も異なるため注意が必要です。状況に合ったのし袋や水引を選び、必要な内容をしっかりと記入しましょう。
●のし袋の選び方
お宮参りや七五三などの場合、水引が「紅白蝶結び」ののし袋を選ぶことが一般的です。紅白蝶結びは、赤と白の糸で結ばれた蝶結びのデザインです。このデザインは、お祝い事での使用に適しているとされています。のし袋がない場合は、紅白蝶結びが印刷されている白封筒で代用することもできますよ。結婚式の場合は紅白の結び切りやあわじ結びを使うことが一般的です。黒白の水引は弔事で使われるもののため避けましょう。
ただし、地域や宗派、神社によっては、使用する水引の色が異なる場合があります。同じ地域に住む人にアドバイスをもらえる場合は参考にしましょう。もしくは、神社に問い合わせてみることも一つの方法です。
●のし袋の外袋の書き方
のし袋の表書きには「玉串料」または「御玉串料」と記入します。位置は外袋の上部中央です。表書きの下段に、神社でご祈祷を受ける人の名前をフルネームで書き入れましょう。たとえば、お宮参りであれば赤ちゃんの氏名を記載します。七五三など兄弟姉妹で揃ってご祈祷を受ける場合、基本的には連名にしても問題ないとされます。神社によってルールが異なるため、事前に確認しておきましょう。
結婚式の場合は表書きに「御玉串料」「御祝儀」などと記載します。表書きの下に新郎新婦の名前を記入しましょう。また、慶事の場合は濃墨で字を書きます。筆や筆ペンで丁寧に記入しましょう。弔事の場合は薄墨を使います。
●のし袋の中袋の書き方
のし袋の中袋には、包んだ金額を記載します。一般的には、金額は「壱」「弐」「参」「伍」といった「大字」を用いて書きます。「千」は「阡」または「仟」、「万」は「萬」と記しましょう。「円」はそのままか、もしくは「圓」と書きます。たとえば、1万円を包む場合は「金 壱萬円」や「金 壱萬圓」と書くことになります。
袋の裏面には、住所やご祈祷を受ける人の氏名を記入します。位置は左下で、郵便番号から書き入れましょう。
玉串料の渡し方のマナー
玉串料を渡すときにも、失礼のないように基本的な作法を押さえておくことが大切です。ご祈祷の当日までに、玉串料の渡し方や注意点を確かめておきましょう。
●新札を包んで渡す
玉串料を渡す際、可能なら新札を使うことがおすすめです。絶対に新札を使わなければならない、ということはありませんが、玉串料は神様にお供えする神聖なもの。汚れているお札やしわくちゃのお札は避けたほうが良いでしょう。ただ、お葬式の場合は新札ではなく使用済みのお札を用いることが一般的です。
新札が欲しい場合は、銀行の窓口や両替機などで両替を行います。なるべく事前に済ませておきましょう。新札の用意が間に合わない場合は、比較的きれいなお札を選んで包みます。
お札をのし袋に入れる際は、向きを揃えるように気をつけます。お札の人物が印刷されている部分が表側かつ上になるように袋へ入れましょう。
●袱紗(ふくさ)でのし袋を包む
玉串料を渡す際には、のし袋を袱紗(ふくさ)で包んで神社に持参することがマナーとされます。袱紗には幅広い色や柄がありますが、慶事用と弔事用で使い分けることが基本です。たとえば、祝い事の場合は華やかで明るい色合いの袱紗が選ばれます。赤色やオレンジ色、ピンク色、などの暖色系が多く見られます。弔事用は寒色系が多く、紺色や緑色、灰色、白地に黒色など、控えめな色が一般的です。慶弔どちらにも使って良いとされるのが紫色です。お宮参りや七五三などは、慶事用の明るい色もしくは紫色の袱紗を使いましょう。
のし袋を渡す際には袱紗から取り出します。袱紗の上にのし袋を乗せて相手に渡しましょう。このとき、相手がのし袋に記載されている文字を読める向きにして渡すことがポイントです。
神社へご祈祷をお願いするときは玉串料を準備しておきましょう
玉串料は、神社へお礼として渡すお金のことです。金額は神社によって違うので、事前にチェックしておくことが大切です。なるべく新札を用意して、適切なのし袋や袱紗に入れて渡しましょう。
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